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【オーナー必見】開業時に使える4つの資金調達方法を紹介

開業をするにあたり、家賃の支払いや改装、仕入れや備品の購入のために資金調達を検討している人もいるでしょう。 今回の記事は、融資、補助金・助成金、借入、出資を含む資金調達の方法を解説します。それぞれの特徴や資金調達の前に知っておきたいこともお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

開業に必要な資金調達方法①:融資

融資とは、金融機関から資金の貸し付けを受けることです。銀行からお金を借りるので「借金」とも言えますが、車や住宅など消費を目的として借りるのではなく、事業を開始するための融資という点に、違いがあります。

融資には返済の義務があり、利息をつけて返済する必要があります。ここでは、融資を受けられる機関や利用できる制度として、日本政策金融公庫、地方自治体の制度融資、銀行・信用金庫について解説します。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は政府金融機関で、一般の金融機関が担う金融業務を補完するために設立されました。中小企業はもちろん、小規模事業者や個人企業など、民間の金融機関から出資が難しいとされた創業者への支援も行っています。

日本政策金融公庫の特徴は、原則として無担保・無保証人で受けられるという点です。さらに、無担保でも利率は0.61%から(令和4年8月時点)で、銀行などと比較して低金利な点も特徴のひとつです。

融資限度額は、新規事業を開始する小規模事業者や個人事業主でも7,200万円で、返済期間は20年以内と長めに設けられています(資金の使用用途が、事業拡大などを目的にした「特定設備資金」の場合)。女性、若者、シニアで創業する場合は、有利な条件で融資を受けられることもあるので、全国にある支店で相談してみましょう。

参考:新規開業資金|日本政策金融公庫

地方自治体の制度融資

制度融資は地方自治体、民間の信用機関、そして信用保証協会が連携した融資です。地方自治体が窓口となり、信用保証をつけて民間金融機関から融資を受けられます。自治体が主導の融資であるため、地元で活動する企業や個人事業主でも受けやすいのが特徴です。

低金利で融資を受けられる場合もありますが、日本政策金融公庫との大きな違いは、信用保証が必要になる点が挙げられます。制度融資では、信用保証協会による保証があれば無担保で融資を受けられます。

しかし、信用保証協会付きの融資を利用する場合、保証協会へ保証料の支払いが必要です。その点を踏まえると、次で解説する「プロパー融資」の方が安く借りられるのが現状です。

なお、融資内容や金利、限度額は自治体によって異なるので、詳しくは地方自治体も窓口に問い合わせましょう。

銀行・信用金庫

銀行や信用金庫からの資金調達は「プロパー融資」と呼ばれています。プロパー融資の利用は保証人が必要で、審査が厳しいという特徴があります。というのも、事業主が何らかの事情で返済できなくなった場合、金融機関にとっては貸倒れになってしまうからです。実際、創業直後の事業者に融資を行わない金融機関が多くあります。

したがってプロパー融資を受けたい場合は、年商規模や利益をしっかりと明示した事業計画書を作成し、銀行の融資担当者を説得する必要があるでしょう。

また、金融機関からお金を借りる手段として、銀行のフリーローンを使う方法もあります。資金の使い方に制限がなく、プロパー融資と比較して簡単に資金を調達できます。しかし、住宅ローンやマーカーローンなど目的型ローンに比べて金利が高い傾向にあります。また、本来は引越し代や旅行資金、入院費用など個人的な事情で利用されることが多く、事業用のローンではない点には注意が必要です。起業のために利用するのは避けたほうが良いでしょう。

開業に必要な資金調達方法②:補助金や助成金

補助金や助成金は、国や地方自治体からの補助金や助成金は融資とは異なり、原則として返済不要です。

経済産業省が運営する「ミラサポplus」を使えば、条件を絞って支援制度の検索が行えます。国や地方自治体からの補助金の対象や内容は毎年変化しているので、必ず最新の情報を確認するようにしましょう。

ここでは、開業を検討している人が申請できる補助金のひとつである「ものづくり補助金」について解説します。

ものづくり補助金

ものづくり補助金とは、中小企業の生産性向上に貢献するようなサービスや試作品の開発、生産プロセスの改善を行う設備投資を支援する補助金です。すでに実績のある中小企業が採択されるケースが多くありますが、前職で実績のある場合は開業直後でも採択されることがあります。

補助金額の上限は、令和4年の公募要領によると通常枠で750万円~1,250万円、グローバル展開の場合は3,000万円となっています。他に「DX枠」や、温室効果ガス排出削減を目指しサービス改善を行う事業者向けの「グリーン枠」もあるので、事業内容や要件が適していれば応募を検討しましょう。

参考:令和元年度補正・令和三年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領(11次締切分)|ものづくり・商業・サービス補助金事務局

開業に必要な資金調達方法③:借入

借入とは、親族や知人からお金を借りることです。銀行からの融資や国からの補助金とは違い、審査なしの無利息で借りられる場合もあります。

しかし、開業後に失敗したり、相手の気分が変わり急に返済を求められたりした場合、トラブルにつながる恐れがあります。家族との関係性が悪化してしまわないように、身内でも契約書を結ぶことをおすすめします。

開業に必要な資金調達方法④:出資

出資とは、個人や団体から資金提供を受けることです。提供された資金に返済義務がないのが大きなメリットですが、出資者に何らかのリターンをする必要があります。

ここでは、出資を受ける方法として、クラウドファンディング、エンジェル投資家、ベンチャーキャピタルについて解説します。

クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、事業に賛同したインターネット上の不特定多数の人たちから、資金調達することです。インターネットに実現したい事業内容を公開し、目標金額に達成すれば事業を立ち上げます。

クラウドファンディングは出資のひとつであるため返済義務はありません。しかし、出資者に対してあらかじめ「返礼品」を準備し、「事業が実現したら返礼品を贈る」ことを前提としています。

事業主は低リスクで資金調達できるのがメリットですが、強いストーリー性やサービスに魅力的な特徴がなければ、資金を集めるのは難しいでしょう。実際、目標金額を達成できずクラウドファンディングが失敗に終わるケースも少なくありません。したがって、クラウドファンディングを成功させるには、多くの人の共感を呼び応援されるようなプロジェクトを立ち上げる必要があります。

エンジェル投資家

エンジェル投資家とは、起業したばかりの会社に出資する個人投資家を指します。個人が所有する資金を投資し、企業の株式や配当をリターンとして受け取ります。投資先の会社が成長したほうがエンジェル投資家にとっても利益が出るため、創業者は経営アドバイスをもらえたり、人脈を広げてもらえたりするのがメリットです。

しかし、エンジェル投資家の持株比率が高くなると発言力が増し、経営決定権に支障が出る恐れがあります。したがって、エンジェル投資家から出資を受けるなら、相性が良く頼れる人物を慎重に選ぶことが大切です。エンジェル投資家と出会うには、マッチングサイトを利用したり、ビジネスセミナーに参加したりするのがおすすめです。

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルとは、未上場のベンチャー企業に出資する投資会社です。出資する代わりに株式を取得し、ベンチャー企業が上場したら株式を売却してキャピタルゲイン(投資額と売却額の差額)を回収します。

エンジェル投資家と同様、ベンチャーキャピタルから出資を受ければ、経営アドバイスや事業提携ができるパートナーの紹介を期待できるのがメリットです。しかし、将来上場を予定していなければ、当然ながら出資は受けられません。また、創業者の保有株比率が低下すれば、ベンチャーキャピタルから経営への干渉を受ける恐れがあるでしょう。

資金調達の前に知っておきたいこと

資金調達に向けて知っておきたいことを4点解説します。

開業に必要な資金を把握しよう

資金調達を実施する前に、開業にどれくらいの資金が必要か把握することが大切です。日本政策金融公庫が2021年に発表した新規開業実態調査によると、開業費用の平均額は941万円でした。しかし、500万円未満が4割以上を占め、もっとも高くなっています。

なお、業種別に見た開業資金の相場は、次のとおりです。あくまで目安の金額として参照してください。

飲食店1,000万~2,000万円
クリニック2,000万~1億円
税理士事務所1,000万~1,500万円
学習塾300万~800万円
美容院600~1,500万円
セレクトショップ500~1,000万円

参考:2021年度新規開業実態調査~アンケート結果の概要~|日本政策金融公庫総合研究所

自己資金でいくらまかなえるか

融資や借入を検討する前に、自己資金をいくら保有しているか確認しましょう。自分のお金も開業するうえでの資本と捉え、開業費用の4割程度は自己資金で準備することが大切です。その理由は、不足分を融資でまかなう際に、申請条件として自己資金割合が決められているケースがあるからです。

また、銀行からの融資や投資家からの出資を受けた場合は、経営の自由度が下がる可能性があります。しかし、自己資金が100%に近い状態で創業できれば、経営権を保持しながら自由に方針を決められるでしょう。預貯金すべてを自己資金として使うことはおすすめしませんが、開業にはある程度の自己資金が必要だと理解する必要があります。

出資と融資の違いを理解しておこう

資金調達で混同しやすいのが、出資と融資です。出資は返済義務がなく、融資は返済する必要があります。

しかし、上記で解説したとおり、出資を受けたら何も返さなくていいというわけではありません。出資のリターンとして、返礼品や株式を渡すことになります。株式を譲渡すると経営に制限がかかることから、出資ではなく融資を選択する創業者もいます。

しかし、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家から資金調達ができれば、事業成長に向けたサポートを得られるので、どちらが適しているか慎重に検討しましょう。

ビジネスコンテストへの出場も検討する

自社が展開したい製品やサービスをプレゼンし、参加者同士で競い合うビジネスコンテストで優勝すれば事業資金を獲得できるばかりでなく、専門機関から協力を受けられるというメリットもあります。

出場すれば参加者同士で刺激を受け、人脈も広がり新たなビジネス機会の創出につながるかもしれません。事業計画書にも磨きがかかり、人前で事業内容を説明するので提案力の向上につながるでしょう。

資金調達を実施し、開業への一歩を踏み出そう

資金調達には、大きく分けて融資、補助金・助成金、借入、出資の4種類があります。まずは自己資金でどれだけまかなえるか考え、最適な調達方法を検討することが重要です。

資金調達のめどが立ったら、開業準備も同時に進めていきましょう。開業にはコンセプト設定や物件探しなどさまざまなタスクがありますが、「決済方法システムの導入」も忘れてはならないタスクのひとつです。

日本決済情報センターは、多様な決済サービスの導入をサポートしています。開業に向けて進める中で、クレジットカード決済、電子マネー決済、デビット決済、QRコード決済などの導入をご検討なら、ぜひ私たちにご相談ください。

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