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QRコード決済とは?種類や仕組み、導入するメリットを解説

QRコード決済は、近年利用率が上がっているキャッシュレス決済手段のひとつです。しかし、店舗運営の担当者の中で「QRコード決済は、どうすれば導入できるのだろう」と疑問に思う方も少なくありません。 そこで今回の記事では、QRコード決済について、種類や仕組み、導入するメリット・デメリット、さらには導入方法やポイントまで解説します。この記事を読めばQRコード決済について網羅的に理解できるので、ぜひ最後までご覧ください。

QRコード決済とは

QRコード決済とは、その名のとおりQRコードを使った決済方法です。バーコードと合わせてコード決済と呼ばれることもあります。

利用者のスマホにQRコード決済専用のアプリをダウンロードして、クレジットカードや銀行口座と連携して支払いをする仕組みです。店頭で現金のやり取りが不要になるだけでなく、サインや暗証番号の入力も必要ありません。

国内市場は6兆円規模

出典:国内コード決済市場に関する調査を実施(2022年)

2022年に発表された株式会社矢野経済研究所の調査によると、2021年度の国内コード決済市場規模は約9兆円だと推計されました。また、2025年度にはそこから約2倍の18兆円超に達すると予測されています。

市場規模が拡大する背景として、コード決済事業者によるお客様へのインセンティブ付与、加盟店に対して決済手数料を無料にした点が考えられます。特に、コロナ禍においては感染拡大防止への取り組みとして、非接触決済ができるキャッシュレス決済のニーズが高まりました。

アプリを使ったQRコード決済では、アプリを通じてお客様に直接キャンペーンや施策が打ちやすいため、今後も多くのお客様に浸透していくと考えられます。

QRコード決済の種類と仕組み

QRコード決済には、ストアスキャン式(CPM方式)とユーザースキャン式(MPM方式)の2種類あります。ここでは、それぞれの特徴や仕組みを解説します。

ストアスキャン式(CPM方式)

お客様がスマートフォンの専用アプリで決済用のQRコードを、会計時に提示します。それを店舗側が専用の決済端末機で読み込む、つまりスキャンすると決済が完了する仕組みです。

ユーザースキャン式(MPM方式)

ユーザースキャン式(MPM方式)は、事業者がQRコードをお客様に提示し、お客様がスマートフォンで読み込む仕組みです。お店側はQRコードをスキャンするための端末機を用意する必要がないので、初期費用を抑えられます。

QRコード決済を導入するメリット

QRコード決済を導入するメリットについて、4点解説します。

ポイント獲得を目的としたユーザーの集客ができる

QRコード決済のサービス会社によっては、ポイント還元や割引などさまざまなプロモーションを提供しています。お客様の中には、ポイント獲得を目的にお店を選んでいる人もいるため、QRコード決済を導入することで集客につながります。

ポイント付与だけでなく、配布されたクーポンを利用できる店舗が表示されるアプリもあり、お得に利用できるのでリピーター作りにも役立つでしょう。

訪日中国人も利用できる

近年、日本を訪れる中国人観光客の数が増えています。そこで訪日中国人でも使えるQRコード決済を、都市部や宿泊施設など観光地に導入すれば、中国人の集客も期待できるでしょう。例えば、中国では「Alipay」や「WeChat Pay」が普及しています。これらの決済サービスを導入しておけば、訪日中国人にとって使い慣れたツールで支払いができるので、利便性が高まるでしょう。

初期費用が抑えられる

QRコード決済は、クレジットカード決済など別の決済方法と比較して、初期費用や手数料を抑えて導入できる点がメリットのひとつです。

初期費用は、ほとんどのQRコード決済会社が無料で提供しています。スキャン用の機器も、お店にスマホやタブレットがあれば使えます。そのため、他の決済手段と比較すると、コスパ良く活用しやすい決済手段だと言えるでしょう。

売上データ管理が効率化する

QRコード決済なら現金でのやり取りが不要になるため、レジ締めの作業が効率化できます。現金のみを取り扱っている場合、伝票の売上と現金が一致せず何度も計算し直す、といったトラブルは頻繁に起こります。その点、QRコード決済はミスが起こりにくいので、スタッフの業務負担が軽減するでしょう。

QRコード決済を導入するデメリット

QRコード決済にはメリットが多くありますが、見逃せない注意点もあります。ここでは、QRコード決済のデメリットを2点解説します。

セキュリティに注意が必要

QRコード決済を利用するときは、セキュリティ面でより一層の注意が必要です。中国で、ユーザースキャン式のQRコード決済を導入したところ、店舗に設置したQRコードがいつの間にかすり替えられ、別の人物に送金されるという詐欺事件が発生しました。

これは極端な例かもしれませんが、実際に起こりうるトラブルのひとつです。情報漏洩を含めセキュリティ面でミスが起こると、信用問題につながるのでリスク管理を怠らないようにしましょう。

スマートフォンユーザーしか対象とならない

QRコード決済はスマートフォンアプリを利用するため、普段からスマートフォンを使うお客様しか使えない、というデメリットもあります。高齢のお客様など、スマートフォンの契約をしていないお客様の利用が多い店舗では、QRコード決済を導入しても利用されにくいでしょう。

また、現金の取り扱いをやめて完全にキャッシュレス決済にしてしまっては、現金のみを使うお客様を逃してしまいます。キャッシュレス決済が普及しても、現金の取り扱いはゼロにはならないと考えられるので、バランス良く決済手段を取り入れましょう。

QRコード決済の導入方法・手順

QRコード決済の導入手順について、お伝えします。

手順1. 導入したいQRコード決済サービスを決定

まず、店舗に取り入れたいQRコード決済サービスを決めます。例えば、次のようなサービスが人気です。

  • PayPay
  • d払い
  • auPAY
  • 楽天ペイ
  • メルペイ

どのサービスを導入するかは、「認知度が高く利用者数が多い」「導入店舗数が多い」「自社の顧客層とサービス利用者の属性が一致している」「インバウンドに対応している」といった基準で判断すると良いでしょう。

手順2. 加盟店申請をする

導入したいQRコード決済サービスが決まったら、加盟店申請をします。QRコード決済会社に個別申請するか、QRコード決済の取りまとめを行っている会社へ申請して一括契約してもらう2つの方法から選びます。

個別申請する場合、各決済会社と直接契約することになるので、複数ある場合は手続きが煩雑になり手間がかかってしまうかもしれません。そのため、複数のQRコード決済サービスに加えて、クレジットカードや電子マネーなど他の決済手段も申し込むなら、手続きを一本化できる決済代行会社の利用が便利です。

代行手数料はかかりますが、審査通過のアドバイスやサポートが受けられるので、手続きに時間や手間を取られたくないときは利用を検討しましょう。

手順3. 利用を開始する

審査が通過したら、利用を開始します。提出書類や事業形態などに問題がなくても三ヵ月かかることもあるため、早めの準備が必要です。審査待ちの間は、スマートフォンやタブレット、専用端末機を準備しておくと良いでしょう。

審査には時間がかかる場合もあるので、新規開店まで時間がない場合は、手続きを早められないか決済代行会社やQRコード決済サービス会社に相談する必要があります。

QRコード決済を導入するときのポイント

QRコード決済をお店に導入するとき、どのような点に注意すれば良いのでしょうか? ここではポイントを3点解説します。

初期費用・決済手数料・振込手数料を確認

どのQRコード決済を導入するかで、かかるコストが変わる点に注意しましょう。必要となるコストには、初期費用・決済手数料・振込手数料が含まれます。

  • 初期費用:無料としている企業が多い
  • 決済手数料:3%台~
  • 振込手数料:入金で必要な手数料、金融機関によって異なる

まず初期費用は無料、もしくは必要ないケースがほとんどです。しかし、ストアスキャン式を採用するなら、スマホやタブレット、専用端末機を準備しましょう。決済サービス会社から、専用端末機が支給される場合もありますが、料金の有無は会社により異なります。

その他の費用として、入金サイクルの変更や指定口座以外への入金など、オプション費用がかかることがあります。会社によってどこまでプランに含まれているか異なるので、見積もりを取り、必ずトータルコストで複数の会社から比較検討しましょう。

初期費用を抑えたいならユーザースキャン式を選択

雑貨屋や飲食店といった小規模の個人店でQRコード決済を導入する場合、ユーザースキャン式を選択すると導入コストを抑えられます。店頭にQRコードを提示しておけば、お客様がスマホで読み取り支払いが完了するため、スキャンのための機器を用意する必要がないからです。

実際、個人店がキャッシュレス決済を申し込む場合、各会社と直接契約をしてQRコード決済のユーザースキャン式を採用している店舗が多い傾向にあります。そのほうがリスクを軽減し、負担なく運営できるでしょう。

キャッシュレス決済の導入時には、どこまでコストや手間をかけられるか検討し、ユーザースキャン式またはストアスキャン式のどちらかを選択しましょう。

お客様にQRコード決済を導入したとPRする

QRコード決済の設置が完了したら、お客様にPRしましょう。知られなければ利用されないので、告知は重要です。日本は海外と比べ、現金の利用率が高い傾向にあり、キャッシュレス決済を導入しても利用されない可能性があります。

店内ではレジ横、お客様の各テーブル、お手洗い、壁、店前の看板などにQRコード決済ができるとアピールして利用を促しましょう。オンラインでは、公式ホームページ、SNS、LINE公式などを使ってお知らせします。

認知を拡大することで利用率が高まり、QRコード決済の利用をきっかけとして新規顧客やリピーターを創出できるでしょう。

QRコード決済を導入し店舗運営の効率化を実現しよう

QRコード決済は、初期費用や決済手数料が低く抑えられていて、導入を検討する店舗にとって利用しやすいキャッシュレス決済のひとつです。また、お客様にとってもアプリを利用してポイント還元やクーポンが受け取れるので、メリットは大きいと言えるでしょう。

株式会社インフキュリオンと株式会社電子決済研究所が発表した調査レポート「電子決済総覧2019-2020」によると、国内のコード決済市場は2025年には最大9兆7,467億円まで拡大するものと予測されています。これから利用拡大が見込まれるQRコード決済を導入して利便性を高めましょう。

出典:電子決済総覧2019-2020 発行:株式会社インフキュリオン カード・ウェーブ編集部

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